11月は、秋まっさかりの初旬からいよいよ冬の到来を感じる下旬まで、1年の中でも変化が大きな月です。

50代ともなると、何かと慌ただしくて時間がたつのも早くなるものですが、特に11月は、あっという間に過ぎてしまいがちですね。

実は、11月は年の終わりを迎えるひとつ手前の月として、その年の収穫を総括する重要な役目をもっています。

11月に行われる行事やイベントを上手に取り入れて、毎日のメリハリをつけていきましょう。

11月は今年を総括する行事がいっぱい

11月7日は立冬22日は小雪です。また、10月に出雲へお出かけになられていた神様たちが帰ってくる「神帰月」としても知られています。

このため、11月は、神様が戻られた節目として今年を区切り、本格的な冬ごもりの前に総括する行事が目白押しです。

代表的なものとして、子の成長に感謝する「七五三のお宮参り」今年の成果を総括しさらなる商売繁盛を願う「酉の市」収穫への感謝と来年の豊作を祈る「新嘗祭」があります。

子の成長を感謝する「七五三」

あちらこちらの神社で賑わう七五三の風景をみて11月を実感する方も多いかもしれませんね。

七五三は、もとは関東地方を中心とした風習で、江戸時代の将軍綱吉の子(徳松)の祝いの儀式が由来だと言われています。

かつては乳幼児の死亡率がとても高く、いつ死んでしまっても不思議ではなかったため、幼児までのあいだは神様が預かっている子とされていました。

数えで7歳を迎えて初めて社会的に認められる儀式が行われ、これが定着して七五三となりました。子が無事に成長したことへの感謝と今後の長寿を願う行事として全国に広がっています。

七五三は、特に節目となる3歳、5歳、7歳を迎えた年の11月15日前後に、近くの氏神様へ参拝します。現在は満年齢が定着しているようですし、混雑を避けて11月中の佳き日に参拝するのが一般的です。

それぞれの年齢には次のような意味がもたされています。

  • 3歳「髪置(かみおき)」:髪を伸ばし始める節目で、男女ともに祝います。
  • 5歳「袴着(はかまぎ)」:袴を使い始める節目で、男子を祝います。
  • 7歳「帯解(おびとき)」:本仕立ての着物と帯に変わる節目で、女子を祝います。

商売繁盛を感謝する「酉の市」

酉の市(とりのいち)は、11月の酉の日に行われる祭りで、出世や商売繁盛を願う多くの人でにぎわう市がたちます。

発祥は大阪から東京に勧請された大鷲(おおとり)神社の祭礼だとされています。秋の収穫物や農耕具を並べて祝った収穫祭でしたが、神社の「鷲」にちなんで「運をわしづかみにする」縁起の良い神社のお祭りとして活気づき、関東の神社を中心に広がりました。

秋の収穫が終わると落ち葉を集めて腐葉土をつくる準備をするのですが、そのときに使う熊手を「福をかきこむ」縁起物とし、お多福や宝船などをつけて並べるようになりました。

酉の日は12日に一度迎えるため、2回の年と3回の年があります。2019年は8日と20日の2回です。

順に「一の酉」「二の酉」と呼ぶのですが、「三の酉」まである年は活気がありすぎて火事が多いと言われたりします。暖房や明かりに火を使う機会が増えるための火の用心の警鐘で、大火の災害が多かった江戸のころの言い伝えだとされていますが、冬の火災には今でも気をつけたいところ。覚えておきたいですね。

収穫を言祝(ことほ)ぐ「新嘗祭」「大嘗祭」

新嘗祭(にいさめさい)は、11月23日に宮中で行われる行事で、天照大御神(あまてらすおおみかみ)ほかすべての神々にその年の新穀(新嘗)を奉納して感謝を捧げ、天皇みずからも食することで収穫の恵みを感謝する祭祀です。前月に行われる神嘗祭につづくこの新嘗祭が、1年間の神事のクライマックスともいえます。

明治6年に改暦されてからは、旧暦から新暦へうつり、現在の11月23日になりました。宮中ほか伊勢の神宮をはじめとする全国の神社で祭儀がもたれます。

新嘗祭のうち、新しい天皇が即位された後初めて行われるものを「大嘗祭(だいじょうさい)」といいます。2019年は令和になってはじめての新嘗祭にあたるため、大嘗祭として執り行われます。この機会はそう何度も訪れないことですし、注目の祭礼です。

 

ワインで祝う「ボジョレー・ヌーヴォー」

世界に目を向けると、北半球では同じように秋の収穫を祝うさまざまな行事があります。そのひとつが、ぶどうからつくるお酒、ワインの出来を祝う「ボジョレー・ヌーヴォー」です。

ワインが主役となる大人のお祝いを、50代の女性らしくおしゃれに祝ってみませんか。

「ボジョレー・ヌーヴォー」はワインが主役になる大人の日

ボジョレー・ヌーヴォーは、フランスのボジョレーという地区で収穫されたぶどうでつくった新酒(ヌーヴォーは「新しい」の意味)のことを指します。

もとは、その年のぶどうの質をたしかめあう意味もあってフレッシュな蔵出しを祝っていたようですが、人気が高まりすぎて悪質なワインが流通してしまったため、フランス政府が解禁日を設定しました。

現在、11月の第3木曜日に解禁されると定められています。これは、11月15日の「聖タルベールの日」に近く、また木曜日は、週末にかからないため酒屋が売りやすかったところから来ています。

大人の女性のボジョレー・ヌーヴォーはさり気なく祝おう

日本は、日付変更線の加減で解禁日を迎えるのが早いこともあり、まっさきに祝う人たちでお祭り騒ぎになります。輸入量もとても多くなっています。またここ数年は「ボジョパ」という手軽なパーティも増え、SNSでのタグ付き写真もよく目にします。

せっかくですから、50代の女性らしく、新酒に浮かれた騒ぎから離れ、大人の祝い方をしたいものですね。

ボジョレー・ヌーヴォーは、赤かロゼのワインですが、収穫されてすぐの醸成のため、軽い口当たりであまり渋みがなく、ふだん赤ワインに慣れていない人でも飲みやすいのが特徴です。

その年の収穫に感謝し、さりげなく赤ワインで祝ってみましょう。

ボジョレー・ヌーヴォーは、口当たりが軽い分、冷やしたほうがよりおいしくなります。また、主張しすぎない風味のため、あわせる食事も軽めのオードブルで十分バランスがとれます。

友人や家族と、気軽に楽しんでみてくださいね。

余った赤ワインはこうして楽しもう

ボジョレー・ヌーヴォーは新酒ですからフレッシュさが身上。できるだけ早く飲み切ることをおすすめしますが、ワインが重なったりしてストックができてしまうかもしれませんね。

そんなときは、次のような形で再利用をしてみてください。渋みが少ない分、少し甘みをつけるだけでとてもやさしい飲み物や料理に変身しますよ。

  • ホットワイン:砂糖かはちみつ、シナモン、りんご、オレンジなどを入れて温める
  • サングリア:砂糖かはちみつ、好みの果物を入れて数時間漬け込む
  • カリモーチョ(コーラ割りのカクテル):ワインとコーラを1対1の割合で混ぜる
  • 煮込み料理やソースに:ワインを煮詰め、小分けに冷凍しておき、少しずつ活用

北アメリカの感謝祭はお正月なみの催し

北アメリカの収穫感謝祭は「サンクスギビングデー」と呼ばれます。

サンクスギビングデーはアメリカとカナダの祝日になっていて、アメリカは11月の第4木曜日、カナダでは10月の第2月曜日と決め、クリスマス前の一大イベントとして祝われます。

無事に糧を与えられた感謝の祭り「サンクスギビングデー」

サンクスギビングデーは、家族が集まり、その1年の無事と収穫を感謝する祭りです。

歴史は開拓時代までさかのぼります。夢を追って新大陸に多くの移民がやってきましたが、現実は餓死するほど厳しい生活で、現地で生き残る知恵を必至で学び、働く必要がありました。

このため、収穫の秋を迎えられたときの喜びはひとしおで、誰もが共に糧を祝い、感謝する宴を開いて分かちあったことが原点とされています。

サンクスギビングデーに欠かせない定番ものが、アメリカンフットボールの観戦七面鳥料理パンプキンパイです。七面鳥は日本では手に入りにくいですが、ローストチキンやかぼちゃパイなら、日本にいても雰囲気を味わえそうですね。

街中が活気づく「ブラックフライデー」

アメリカでは、11月第4木曜日のサンクスギビングデー当日と、翌日金曜日のアフター・サンクスギビングデー、その後の土日を合わせた4日間が連休になります。この期間は一斉に仕事も学校も休み、故郷に帰って家族と一緒に過ごします。日本のお盆やお正月に似たイメージです。

サンクスギビングデー当日は閉店するところが大半なのですが、翌日の金曜(場合によると木曜の夜中)から年間最大規模のセールを行う店が多くあります。

クリスマスまであと1ヵ月という商機でもあることから、この日だけで年間収支が黒字になるほどものが売れるという意味で「ブラック・フライデー」と呼ばれたりします。

オンラインが活気づく「サイバーマンデー」

さらに、ここ数年は、サンクスギビングデーの翌週の月曜日を「サイバー・マンデー」と呼ぶことも定着してきています。

サイバーは、オンラインのストアを指します。サンクスギビングデーの休暇が明け、日常に戻った人々がオンラインで買い物をするため、月曜日はネット上での売上が急増するからだと言われています。オンラインショップでは、さまざまなサイバーマンデーセールを打ち出しています。

オンラインのにぎわいなら、日本にいながらでもその雰囲気を味わえるかもしれませんね。

 

まとめ

日増しに寒さがつのり、木枯らしが吹くようになると、つい憂鬱になってしまう11月ですが、こうした感謝の行事をうまくとりいれて季節の変化を楽しく味わいながら、本格的な冬の到来や1年の締めくくりを迎える12月に備えましょう。