春もいよいよ後半になってきました。急に夏のような暑さになったり、肌寒くなったり、調子が上がらない人も多いかもしれません。

そんなみなさんのために、春のだるさを解消するデトックス食品をご紹介。4月から6月ごろが旬となる新玉ねぎで、体の中からすっきりしませんか?

新玉ねぎと玉ねぎはどこが違うの?玉ねぎの種類と栄養素

新玉ねぎは、春に出回る白っぽい玉ねぎ。夏以降に出回る黄色い玉ねぎとはずいぶん見た目も柔らかさも違いますよね。新玉ねぎと普通の玉ねぎとで栄養面でも違いはあるのか、みていきましょう。

実は同じ成分だった!新玉ねぎと玉ねぎとの違いは出荷方法

実は、新玉ねぎと玉ねぎが異なっているのは、出荷方法なのです。

通常の玉ねぎは、長持ちさせるため1ヵ月ほど乾燥させています。これに対し、新玉ねぎは、収穫したらすぐ出荷されます。乾燥させないので、とても水分が多く、みずみずしい食感になります。辛味も和らぐため、生食もできるというわけです。

ポリフェノールが豊富な玉ねぎはアンチエイジングの強い味方

新玉ねぎと玉ねぎには、水分量以外に違いはありませんから、栄養面では同じ効果があるといえます。

玉ねぎは野菜の一種ですが、ビタミンはあまり含んでいません。炭水化物もタンパク質もほとんど含みません。その代り、玉ねぎにはポリフェノールの種類が豊富に入っています。玉ねぎに含まれる栄養素を簡単にリストアップしてみましょう。

  • アリシン(硫化アリル):血液をサラサラにする成分、免疫力をアップする働き
  • 硫化プロピル:玉ねぎだけに含まれる硫黄化合物で、血糖値を下げる働き
  • ケセルチンアントシアニン:抗酸化作用、脂肪の吸収を抑える働き
  • 食物繊維:腸内の余分なカスを取り除き、環境を改善する働き
  • カリウム:余分な水分や塩分を取り除く働き。ビタミンB1と一緒に摂取すると疲労回復にも効果的。
  • オリゴ糖:善玉菌を増やし、腸内環境をよくする働き

玉ねぎは、低カロリーな上にデトックス効果も高い、手軽なアンチエイジング野菜といえますね。

食べ過ぎには注意!玉ねぎの副作用

万能感がただよう玉ねぎですが、食べ過ぎには注意が必要です。さきほど紹介したアリシン(硫化アリル)は硫化化合物ですから、あまりたくさん食べると副作用がでることもあります。

よくあるのが、腸を刺激して下痢や腹痛、吐き気、胃もたれを起こす副作用です。また、食べてから数時間から数日たって、偏頭痛が出るという人もいます。その他、硫化アリルは卵が腐ったような臭いがあるため、全身に回った時、体臭がきつくなる場合もあるようです。

玉ねぎの栄養を効果的にするには、毎日少しずつ摂り続けるのが理想です。栄養分の効果は半日程度で消えていきますから、1玉の4分の1くらいの量を毎日摂り続けましょう。

これをやると台無しに!新玉ねぎの正しい保存法と調理法

玉ねぎは、腐りやすく、芽が出やすいため、この2点「防腐」「萌芽」を抑える方法が、貯蔵のポイントになります。

新玉ねぎは早めに食べきろう 冷蔵庫保存がおすすめ

新たまねぎは、出荷後の乾燥工程を省略していますから、水分がかなり多いため、とても腐りやすいです。

新玉ねぎは、手に入れてから2~3日で食べきってしまうのが理想です。保存するときは、新聞紙に包んでからビニール袋などに入れ、冷蔵庫に入れておくのがいいでしょう。

普通の玉ねぎは常温で。風通しのよい日陰で保存

出荷前に乾燥させてある普通の玉ねぎの場合は、風通しのよいところに吊るして保存するのがベストです。

よく軒先に吊るされている形のように、少し長めに皮が残っているものだとそのまま結んで吊るせますが、コロコロとした玉ねぎでしたら、野菜ネットに入れて、涼しく風通しのいい場所に吊るしておくと良いでしょう。夏場の暑い季節の場合は、冷蔵庫に入れると安心です。

冷凍しても栄養分は壊れない!便利な冷凍玉ねぎをつくろう

保存に悩む前に、まとめて冷凍保存はいかがですか?

薄くスライスしたり、みじん切りにしたり、後の調理にあわせて切っておいたものを、ジッパー付きの保存袋などに入れて冷凍するだけ。とても簡単な保存方法です。

玉ねぎの栄養分は、冷凍しても壊れません。その上、冷凍すると玉ねぎの繊維が壊れるため、辛味を感じにくくなります。また、冷凍すると水分が抜けるので、炒めるのに根気のいる飴色玉ねぎも簡単に作ることができて、ずいぶん効率的になるのです。

ひとつだけ、冷凍することで繊維が壊れていますから、生食のときのシャキシャキした食感はなくなる点には注意しましょう。冷凍玉ねぎは、煮込み料理など、玉ねぎの甘みをひき出したい料理に使うのがおすすめです。

シンプルでおいしい新玉ねぎレシピのヒント

みずみずしい新たまねぎは、そのまま生食しても辛味が少ないので、おいしくいただくことができます。

臭いや胸焼けが気になる人は、よく火を通して甘くすると食べやすくなります。

調理するときのポイントですが、玉ねぎの栄養分のひとつケセルチンは色素成分で、外皮に近いところに含まれています。あまり厚く皮をむきすぎると失われるため、注意しましょう。

それから、玉ねぎを切っていると涙が出てしまうのは、辛味成分のアリシン(硫化アリル)が粘膜を刺激するためです。硫化アリルは水に溶けやすいので、水にさらすと辛味が抜けて刺激もなくなりますが、同時に養分も流れてしまいます。

玉ねぎは、水に晒すより、空気に晒したほうがいいので、覚えておきましょう。玉ねぎを切った後、15分~30分ほど空気にさらすことで、中の養分も安定すると言われています。

できるだけ生で

新玉ねぎは水分が多いので、そのまま薄くスライスした状態で生食にするのが、春の味覚を楽しめていいですね。

サラダやマリネにたっぷりと入れてみましょう。かつおぶしやちりめんじゃこなど、タンパク質のトッピングと合わせてあっさりいただくのも、栄養バランスがよくグッドです。

その他、漬物にしたり、すりおろしてドレッシングの中に混ぜたりするのもいいでしょう。

玉ねぎの甘味を活かして

冷凍のみじん切り玉ねぎを10分ほど炒めたら飴色玉ねぎができます。飴色玉ねぎの甘みが料理に深みをつけてくれるので、いつもよりちょっとグレードアップしたものになりますよ。

飴色玉ねぎをコンソメスープで溶きのばし、ベーコンでコクを出したスープや、カレー、シチューにもおすすめ。また、炊き込みご飯に入れてもやさしい甘みが嬉しい一品になります。

その他、天ぷらにして甘みを引き出すのも、食感とのバランスがとてもよい、豪華なお料理になります。

シンプルなホイル焼きをマスターしよう

新玉ねぎの食べ方で、特におすすめなのは、ホイル焼きです。

まるごとの玉ねぎに十字の切れ目を入れ、アルミホイルにくるんでオーブン焼きにするだけ。かつおぶしと醤油であっさり食べてもよし、ポン酢でさっぱり食べても、バターでコクを出しても、カレー味でもよし。ひき肉のあんかけ風にしたら、豪華なメイン料理にもなりますね。

それぞれがお好みの食べ方で新玉ねぎの季節をたっぷり味わえること間違いなし、です。

手軽で珍しい玉ねぎ加工品いろいろ

毎日摂りたい玉ねぎですが、手軽に食したい場合は、加工品を使ってみるのもおすすめです。

スーパーでよく出回っている玉ねぎ入りのドレッシングやタルタルソース、焼き肉のたれなどのソース類のほか、スープやシチューの素に入っているものもありますね。レトルトの飴色玉ねぎも、大きめのスーパーなら手に入ると思います。

その他、通販などでは、粉末タイプや、フライドオニオンやオニオンチーズなどもあります。スライスした玉ねぎを乾燥させた乾燥玉ねぎは、戻さずそのままお味噌汁などにいれるだけという手軽さです。

加工品は長期保存が可能なものが多いですから、常備しておき、毎日ちょっとずつ玉ねぎを食卓にのせて体をキレイにしていきたいですね。

まとめ

年中見ていてメインの野菜っぽくなりにくい玉ねぎですが、旬を感じて味わうのもいいものですよ。値段も手頃でたくさん出回る今がチャンスです。

腐りやすそうで扱いが苦手だった方も、新玉ねぎの特徴をおさえて、気軽に食べてみてください。今から毎日摂って、中からデトックス。

キレイになって、夏を迎えましょう!