女性の体はわかいころは骨が成長し、骨の代謝がバランスよく保たれますが、 閉経がはじまる40代のおわりから50代にかけて骨量は急激に減少していきます。
こうなると怖いのが「骨粗しょう症(こつそしょうしょう)」。圧倒的に女性に多い病気です。
骨づくりを助ける女性ホルモンの「エストロゲン」がどんどん減って骨の新陳代謝バランスがくずれ、骨量も急激に減ってしまうため、骨粗しょう症が進みやすくなってしまいます。
これを予防するためには、骨量を増やし、できるだけ骨を健康に保つことが大切です。対策としては、骨の重要な構成成分のカルシウムを心がけて摂るようにします。
カルシウムを摂取できるおもな食材とてしては、牛乳、ヨーグルト、チーズ、スキムミルク、小魚、煮干、ししゃも、木綿とうふ、納豆、豆乳、緑黄色野菜の 小松菜、大根の葉、かぶの葉、モロヘイヤなどがあります。
さらに、 ひじき、切干大根、海草わかめ、こんぶ、などもカルシウムが多めの食材です。
どの食材もまんべんなく摂り入れたいカルシウム強化の食材ですが、本記事では種類が多く、手作りの楽しさもあるヨーグルトに焦点を当てて紹介したいと思います。
このページにはこんなことが書いてあります
ヨーグルトとカルシウム
農林水産省のページでも紹介されていますが、ヨーグルトもカルシウムを摂取するのに要食材とされています。
ひとくちにヨーグルトと言っても、名前や出所のちがうヨーグルトが世界にはたくさんあります。
世界各地で生まれたのヨーグルトは種菌を入手すれば自分で手作りすることも可能。日本国内ではどんなヨーグルトがあり、どんな種菌があるのか紹介していきますね。
参考ページ:
農林水産省:大切な栄養素カルシウム
50代の女性の骨量アップに!手作りできるヨーグルト6タイプ
ABCT菌
ABCT種菌は1971年に日本で初めてヨーグルトメーカーの製造販売をはじめたタニカ電器のオリジナルヨーグルト種菌で「エービーシーティ菌」と読みます。
「ABCT種菌」 には、4つの乳酸菌が含まれています。ネーミングはそれぞれの頭文字から付けられています。。
A=アシドフィルス菌 GL-1
(Lactobacillus acidophilus)
悪玉菌の繁殖を抑え、血中コレステロールを低下させる
B=ビフィズス菌 BL-730
(Bifidobacterium longum)
有害物質を排出・サルモネラ菌等の感染予防
C=カゼイ菌 CS-107
(Lactobacillus casei)
小腸の消化・吸収を助ける・CLA(共役リノール酸)を産生
T=サーモフィルス菌
(Streptococcus thermophilus)
多糖類を産出し、ヨーグルト独特のなめらかさを作る
この種菌は、オクラホマ州立大学(アメリカ)のスタンレイ=ギリランド博士が開発した乳酸菌をタニカ電器がライセンス製造したもので乳酸菌が1グラムあたり1000億個も含まれています。
一般のヨーグルトは1~2種類なので2倍の乳酸菌が摂れるヨーグルトなのです。
種菌はこちら
タニカ電器は40年間もヨーグルトメーカーを作り続けているヨーグルトメーカーのパイオニアです。
ダヒ(ダヒヨーグルト)
ダヒはインドの伝統的な発酵乳です。カード(Curd)と呼ばれることもあります。ダヒは日本でも飲まれている「ラッシー」の材料です。
ブルガリアヨーグルトやカスピ海ヨーグルトなどとは発酵に使われる乳酸菌がちがうため、味は別ものと考えてください。
ヨーグルトにありがちな酸味はひかえ目、「えぐ味」もないので糖分を加える必要がなく、栄養価はしっかりあるのに低カロリーな、ダイエットにもうれしいヨーグルトです。
粘りがないのもダヒの特徴です。インドでは水牛のミルクをつかいますが、水牛のミルクはタンパク質や脂質がおおく、チーズ作りにも適しています。なのでヨーグルトもしっかりと固まります。ですから日本のヨーグルトのように、粘りが出る乳酸菌を使ったり、ペクチンで固めなくてもOK。
ダヒの種菌はレインビオという会社のものが知られていますが、こちらの会社では日本でも水牛のヨーグルトを味わってもらいたいと「水牛ミルクパウダー」も発売されています。
これは水牛のミルクを、脱脂粉乳(スキムミルク)の製法でパウダーにしたもので、このパウダーで水牛ヨーグルトにすると牛のミルクとのちがいが楽しめます。
ネパールのデザートヨーグルト「ズーズーダウ」やインドの豆腐のようなチーズ、パニールも作れます。料理好きな方はつくってみては?
ケフィア
ケフィアは発酵乳の一種です。
ジョージア、 ロシア、 アゼルバイジャンの黒海と カスピ海に挟まれた、コーカサス山脈地方で生まれました。
ケフィアは 見た目はヨーグルトとほとんど変わらず、牛乳を使って作るのは同じですが、「ケフィア」と「ヨーグルト」には大きなちがいがあります。
ヨーグルトは 1~3種類の乳酸菌のみによる単独発酵ですが、ケフィアは複数の乳酸菌と酵母が一緒に発酵しています。
こちらの写真がケフィアの元の「ケフィ・アグレイン」です。
ケフィア・グレインは、多糖類の粘性物質に、いろんな種類の 乳酸菌と酵母が共生している ポップコーンのような形をした菌塊です。
菌がバランスよく含まれており、研究によりケフィアには腸内環境を整え、免疫力や 肝機能を高める、胃液の分泌を促す、コレステロールや 中性脂肪を減らすといった、 さまざまな身体に対する良いはたらきがわかっています。
とても寒い土地で生まれたからか、ケフィアはわりと低い温度で発酵します。そしてまろやかな酸味とミルクっぽい香りでとても食べやすいです。
ケフィアの種菌は通販でだれでも買うことができます。
カスピ海ヨーグルト
一躍大ブレークした「カスピ海ヨーグルト」。カスピ海ヨーグルトの特徴であるトロ~リとした粘り気は、「クレモリス菌」が「エキソポリサッカライド」という粘り成分を作り出したものです。
エキソポリサッカライドは、胃や小腸で分解さずに大腸まで届き、健康にみちびいてくれる重要な役割をしています。
粘り成分は体にいいだけでなく、 食べものを飲み込むチカラ(嚥下機能)が衰えたときの食品としても重宝がられています。免疫細胞を活性化するはたらきがあるといい、栄養面と実用面にすぐれたヨーグルトなのです。
「カスピ海ヨーグルト」という名前、実はカスピ海方面には存在しません。
京都大学の家森名誉教授がコーカサス地方から持ち帰り、日本に広めたときに「カスピ海ヨーグルト」と呼ばれるようになりました。
テレビCMでカップ入りのカスピ海ヨーグルトをよく見かけますが、自宅でもカンタンに作ることができます。
カップのカスピ海ヨーグルトを継ぎ足して種にして作るやり方もありますが、衛生面などを考慮すると乾燥粉末種菌がおすすめです。
よく知られている種菌は「フジッコ」の「手づくり カスピ海ヨーグルト種菌セット」。牛乳に混ぜるだけのとっても簡単なセットです。
プロバイオティクス ヨーグルト
「プロバイオティクス ヨーグルト」とは「プロバイオティクス 乳酸菌」が入っているヨーグルトのこと。プロバイオティクス乳酸菌入りのヨーグルトはパッケージに表示されています。
ヨーグルトに入っている乳酸菌は、胃酸などの消化液で死んでしまうことが多いため、生きたまま腸まで届きません。しかしプロバイオティクス乳酸菌は生きたまま腸まで届くので、腸内でいいはたらきをしてくれます。(乳酸菌の中でもガセリ菌やビフィズス菌などは生きて腸まで届くことがわかっています。)
なので腸の調子をととのえたいときは、プロバイオティクス乳酸菌のヨーグルトを選ぶといいです。
ちなみにプロバイオティクス乳酸菌は死んでいても生きた菌と同じ効果があることが最近の研究で明らかになったんだとか。なかなか働きものな乳酸菌ですね。
プロバイオティクスヨーグルトを作るドライ種菌も販売されています。
プロバイオティクスGBN1
【ヨーグルト ブルガリア】プロバイオティクスGBN1
ほかのヨーグルトの種菌とおなじく牛乳に混ぜるだけで作ることができます。ただこちらは発酵温度が42℃と高め。その点を注意して作ってみましょう。
ギリシャヨーグルト
ギリシャヨーグルトはギリシャで毎日たべられているヨーグルトで、濃厚で固めのクリーミーさが特徴です。
ふつうのヨーグルトとつくり方がちょっと違っていて、牛乳(またはほかの乳製品)を温めて発酵させたあと、ギリシャヨーグルトはさらに「水切り」という作業をおこないます。
できたヨーグルトを綿のガーゼやギリシャ伝統のモスリン(ウール)でできた袋などで濾して過し、水分や乳清(ホエー)をとりのぞきます。
そのためコックリとした、スプーンですくってもトロリと落ちないテクスチャーになっています。そしてなんとタンパク質が通常のヨーグルトの2倍以上!
タンパク質をたくさん含んでいるのに肉や魚に比べて低カロリーと、アメリカでは大ブームとなりました。2012年にはニューヨークの全ヨーグルトの売上高の約30%をギリシャヨーグルトが占めたほどです。
日本では2011年9月に森永乳業から日本初のギリシャヨーグルト「濃密ギリシャヨーグルト パルテノ」が発売され、日本にも知られるようになりました。
酸味が少なく料理にも適しているので、ギリシャ料理にはヨーグルトがよく使われています。きゅうりと混ぜたディップのような「ジャジキ」はギリシャの定番料理。温かい料理の材料としてもつかわれています。
ギリシャヨーグルトのつくり方はふつうのヨーグルトをザルやキッチンペーパーで水切りするだけ。
成分無調整の牛乳で作ると濃厚なクリームのような口当たりにできますし、無脂肪牛乳で作ると朝食にぴったりな低カロリー・高タンパク質のニューヨークスタイルのギリシャヨーグルトになります。
はちみつやジャムなどをかけるだけでリッチなデザートの出来上がり。お試しあれ♪
ヨーグルトメーカーでカルシウムたっぷりのヨーグルトをいつでも手作り!
ヨーグルトは家族が多かったり、消費量が多いなら手作りをする方がうんとお得。
ヨーグルトメーカーをつかえば、パックの牛乳をポンとおいて種菌をいれたら、あとはほったらかし出来るから、子どもにだって作れちゃいます。
ヨーグルトメーカーはたくさんの種類が発売されていますので、容量や機能、デザインなどからお好みのものを選びましょう。
その際には
・牛乳パックをそのまま発OK
・25~70℃で温度調節ができる
・1℃単位で温度調節ができる
・タイマーつき
があると便利です。さらに低温調理ができるタイプならローストビーフや鶏ハムもできて一石二鳥。
ヨーグルトで骨量ケアをしながら料理もおいしくできるなんて嬉しいですよね。
まとめ
骨量のあるじょうぶな骨を維持するためには、ヨーグルトだけでなくカルシウムをはじめとした様々な栄養素をバランスよく摂取し、定期的なエクササイズや運動をすることが大切。
もう50代だからとあきらめないで、思い立ったら骨量アップを心がけることが大切です。
ヨーグルトを毎日の食事に取り入れて乳酸菌を腸へ送ってあげると、腸活からの美肌も期待することができます。
なんなら美魔女を目指してみませんか?