50代になると、親族などのお葬式に参列することも少なくないかと思われます。親族のお葬式を経験して、従来のお葬式の形式にいろいろと考えさせられる方もいらっしゃるでしょう。

実際にお葬式にかかる費用も高額になっていることもあり、親のお葬式やまして自分のお葬式に関しては、悩む場合も増えています。

昔ながらのお葬式の形式にこだわらない方も増えています。

現在行われているお葬式の様々な形について調べてみました。

仏式のお葬式はお寺にいくら払うの?

仏式のお葬式では、菩提寺の僧侶にお布施としての拝み代と戒名料をお支払いします。

お布施は宗派やお寺の格式などにもよって異なりますので、決まった額はありませんが、知人の例をとると、10万円~100万円までと、お寺によってかなり幅がありました。

ほとんどの方は、お寺に言われるままに包んでいるというのが現状です。

拝み代の中には、葬儀全般の分と、葬儀後忌明けまでの35日まで(または49日)の読経代を含む場合もあります。

また、別に戒名料があり、こちらは戒名の位によって異なります。こちらもやはり10万円~50万円くらいまでありました。

高いところでは、お布施と戒名だけで、既にお寺に150万円も支払っていました。

菩提寺がある方は、檀家さんに、お葬式の時はいくらくらい払っているのか、確認しておいた方が無難です。

葬儀会社でかかる費用とはいくらぐらい?

お寺にお支払いする費用の他に葬儀そのものにかかる費用があります。

こちらも葬儀会社によって異なりますが、平均で200万円は超えるといわれています。

それも一つ一つ段階があり、どの棺桶を選ぶか、お花はどのくらいの量にするのか、祭壇の大きさはどうするか、火葬場まで遺体を運ぶ車の種類はどれにするのか、精進落としのお膳にどのくらいかけるのか、引き物はどうするのか等々、細かく様々なものを決める必要があります。

あっという間に合計額がとんでもない額になっていることもあり、本来であれば一つ一つ精査する必要があります。

葬儀会社で最初に伝えてくるのは、スタンダードプランなのですが、その中でも細かくこれは選べますと伝えてくるので、ひとつひとつこだわっていると、予算額よりかなりオーバーしてしまうことが多々あります。

しかし、こちらは、悲しみの中、故人をきちんと見送ることを考えるので、実際は、準備の渦中でいると、じっくりと考えている余裕がありません。

まして、親族同士のやり取りで結局見栄を張って高い価格のものを選んでしまったりということもあります。

あとで、請求書を見て、こんなにかかったの?と思うことも、かなりあるようです。

まだ、これから親を見送る方は、元気なうちに、どのようなお葬式にするのかシミュレーションをしておいたほうが安心です。

また、終活として、将来自分はどのようなお葬式の形を望むのかをしっかりと考えておきましょう。

かけられる予算の中で、自分も親族も満足できるお葬式を考えてみましょう。

家族葬とはどんな形でやるの?

最近は、親を見送る場合、家族葬で行う家が増えています。

その理由として、高齢化が進み、親が亡くなる年齢が80代半ばから90代となってきているので、親の知人がすでに亡くなっていたり、健康上の問題で動けなかったりして、親族以外に弔いに来る方がほとんどいなくなってきているというのが現状だからです。

なので、近所や知人には連絡をせず、近親者のみで葬儀を行い、葬儀終了後、新聞の無料掲載部分に載せる場合が多くなっています。

家の前に喪中の札も立てないところが多くなっているので、近所にいても、亡くなったことを知るのがしばらくたってからという場合も多いです。

家族葬の場合も、葬儀会社で家族葬のプランがあります。

利点としては、会葬者に気を遣うこともなく、ゆっくりと、家族だけで思い出を語り、送り出すことができます。

ただ、会葬者が家族のみとなった場合、お香典をいただくということがありませんので、かかる費用はすべて自己負担しなければいけません。

また、葬儀終了後に、焼香に訪れる近所の方などがいると、後から個々に対応しなければならず、かえって負担になる場合もあります。

家族葬の場合も、菩提寺がある場合は、お寺にかかる費用は発生します。

直葬とはどのようにするの?

最近では、葬儀そのものをせず、自宅に安置後、すぐに火葬場に送るという直葬が増えているそうです。自宅での納棺や火葬場へ送るという手配などは葬儀会社で行ってくれます。

火葬場でも希望すると、火葬後に、僧侶がお経をその場であげてくれますので、家族でそのまま火葬場でお経をあげてもらい、お骨を拾うというパターンがあります。

この場合は、葬儀をいたしませんので、かなり費用を抑えることができます。

また、仏式にとらわれない方は、お経が必要がないので、僧侶に支払う費用も抑えられます。

現代のお墓事情はどうなっているの?

お墓の在り方も多様化しています。

従来のお寺や市民墓地などに墓地を買い、○○家のお墓を立てるのではなく、あえて、自分の家のお墓を持たず、永代供養墓を選んだりする人も増えています。

他に樹木葬も増えてきました。

全くお墓を持たず、遺骨は散骨するという場合もあります。

永代供養墓とは

永代供養墓とは、故人の墓石ではなく、集合墓のことをいいます。

お寺で運営している永代供養墓があるところもありますし、また最近では、自治体の市民墓地の中に永代供養墓を作っているところもあります。自治体の場合は、費用も安く済みます。

およそ30年は永代供養墓に納骨され、その後は、他の場所へ移されるということです。

特に地方では、夫婦二人暮らしが増えて、子供たちは都会などで生活している場合が多く、墓参で苦労をかけたくないので永代供養墓を申しこむという高齢者が増えています。

ある地方都市の公営墓地で永代供養墓の募集をしたところ、ものの5分で用意した数が瞬く間に埋まってしまったということもありました。

樹木葬とは

樹木葬とは、土に還るという意味合いで、桜の木とか大きな樹木の周辺に納骨されます。様々な団体で樹木葬を扱っていて、希望する方も年々増えています。

費用はその団体によっても異なりますが、1区画100万円前後するところもあります。

樹木葬の形としては、永代供養墓として木々の周りのモニュメントに一定数のお骨を入れるという形や、木々の周りに小さな一人ずつのスペースを設けるといった形などがあります。

地方の樹木葬を行っている団体の1区画で70万円~90万円ほどでしたので、それなりの費用はかかりますが、お墓というよりは公園というイメージなので、ゆっくりくつろぎながら、故人と語り合える場として人気となっています。

散骨するときは指定業者に

海や山など、故人の思い出の場所に散骨を希望される方もいらっしゃいます。

その場合は、勝手に遺灰をまくことは法律で禁じられています。許可を持っている指定業者にお願いすることになります。

葬儀を行った葬儀会社に相談すると、散骨のための手配をしてくれるところもあります。

遺影は早めに準備しよう

できたら、遺影の写真は、元気なうちに選んでおきたいですね。

いざ、葬儀となって、遺影をどうするかというところまで頭が回らず、特に親の場合、一緒に暮らしていないと、どこに写真をしまっているのかというところから戸惑うこともあります。

笑顔のステキな写真を数枚ピックアップしておき、いつでも取り出せるようにしておくといいでしょう。

できたら、デジタルカメラで撮影した近影をまとめておきましょう。

古い昔のスナップ写真は、引き伸ばした場合粒子が荒くなり、イマイチの遺影になってしまうこともありますので、注意しましょう。

最近では、遺影用の写真を撮影してくれる写真館も増えています。

そういうところでステキな遺影を撮影してもらうのもいいですね。

また、一般葬を葬儀会社で行う場合は、故人の思い出の品を展示したりしますので、個人の趣味の作品などをまとめておいたり、スライドショーのための写真をまとめておくと、いざという時の作業に戸惑うことがありません。

葬儀の時の費用について

現在は、亡くなった人の銀行通帳は、死亡届が役所に届くと、すぐに凍結されてしまって、おろすことができません。

事前におよそかかる費用を見積もって、すぐに引き出せる普通預金に入れておきましょう。

お葬式は、突然のことが多いですから、事前の心構えが必要です。

特に親の場合は、高齢になったら、どのように見送るか、その場合、かかる費用はどのくらいになるのか、見積もっておくことが大切です。

まとめ

人の死は、必ずどこかで訪れます。

親や家族の弔いの場で、何が何だかわからず、葬儀会社の言うがままになってしまい、後で、後悔する人も少なくありません。

親のみならず、自分の場合も、終活として、どのようなお葬式にしたいのかを家族とも話し合って、方向性を定めておきましょう。費用の面でも前もって準備をしておくと安心です。