2019年のシルバーウィークは、敬老の日につながる3日、秋分の日につながる3日と、2週間のうちに3連休が2回くるかたちになります。

春のゴールデンウィークが10連休になるような大型だったこともあり、秋の連休はそれほど騒がれていませんが、短めだからこそ濃厚な体験を入れて、積極的に大人の秋を楽しんでみませんか?

9月のシルバーウィークは、2つの季節を楽しむチャンス

9月は、夏の名残りを感じる初旬から本格的な秋の深まりを感じる下旬まで、ひと月のあいだに季節の移り変わりをしっかりと味わえる好機です。

また9月は、灼熱の暑さから開放されて過ごしやすい気温になってくることもあり、外の景色を楽しんだり、おいしいものを味わったりと、何をするにもよい季節ですね。

何泊もするほどの遠出をしなくても、ちょっとした日帰りプラスアルファで、季節の変化を感じたり、目や舌を楽しませたりすることができます

シルバーウィーク前半:敬老の日3連休は夏とのお別れを楽しむ

シルバーウィークの前半、敬老の日につながる3日間は、まだまだ暑い日も多いころ。せっかくですから、令和元年の夏をめいっぱい満喫するプランを考えてみましょう。

沖縄はもちろん、九州南部や四国、紀伊半島や房総半島などは、まだまだ夏の気配が残っているところも多くあります。日帰りや1泊程度の気軽さで、ちょっとでかけてみるのが大人の旅行。海も山も、夏の喧騒がおさまって秋へ移ろい始めた情緒豊かな景色を堪能できることでしょう。

また、この週は新暦でいう十五夜のころになります。特に外出しなくても、お月見行事で秋の訪れを感じるのもハイセンスな秋の楽しみ方といえるでしょう。

シルバーウィーク後半:秋分の日3連休は秋が深まる予感を楽しむ

シルバーウィークの後半、秋分の日につながる3日間は、いよいよ本格的になっていく秋の深まりを感じるプランを考えてみましょう。

果物狩りのような収穫を楽しむものだと日帰りや1泊程度でも十分楽しめますし、北日本エリアや標高のある山では紅葉を楽しむハイキングもできます。ちょっとしたアクティビティで体を寒さに慣らしていくためにも、9月のお出かけは重要ポイントです。

また、秋分の日は秋のお彼岸の中日です。おはぎなどの行事食を味わいながらご先祖様に想いをはせるという過ごし方も心落ちつく大人の秋の楽しみ方といえます。

シルバーウィーク 大人の楽しみ方5選

小さな連休が続くシルバーウィークを堪能する大人の過ごし方について、いくつかのパターン別にご紹介します。

夏と秋を同時に楽しむ:沖縄など

夏と秋を同時に楽しむといえば、まっさきに思い浮かぶのが沖縄ですね。

真夏のバカンスが終わり、ようやく静かになったなかでも、色濃く夏の色を残す空、明るい海、ホットな情熱を感じさせる風。夏から続いているエイサー祭りだって9月に入ってからも各地で開催されています。

一方で、琉球王朝時代の行事を再現した中秋の宴というみやびな催事もあり、そこかしこに秋の足音をききとれるのが9月の沖縄です。

沖縄のほかにも、鹿児島高知和歌山南部伊豆など、夏と秋が混在し、季節の揺れが豊かな表情をみせてくれるところが多くあります。日帰りや1泊程度の気軽さで行ける距離でリフレッシュできるのも魅力です。

まだ健在と思われる夏の中にたちのぼる秋の気配を感じ取り、大人の沖縄を味わいましょう。

一足早く紅葉を楽しむ:北海道、北アルプスなど

一足早く秋の深まりを楽しむなら北海道北アルプスがおすすめです。日本は南北に長く伸びる列島ですし、山脈も多くて標高差があるため、夏の終わりから冬の初めまで一度に季節の変化を味わうことができます。

北海道の9月は秋一色。山は紅葉で彩られます。大雪山連峰の赤岳は9月半ばから10月上旬にかけてマイカー規制されるほどの人気スポットになります。

ほかにも、北アルプスなど標高の高いところも美しい秋の自然を堪能できます。上高地では深い緑の中にちりばめられた黄金色の木々がきらきらと輝き、とても美しい景色が広がります。

ときには体を動かして自然の中に入り、静かに木々の声をきき、山のエネルギーに体を預けるのも、素敵な大人のアクティビティですね。

秋の伝統行事を楽しむ:十五夜

9月の伝統行事といえばお月見、いわゆる十五夜(じゅうごや)があります。十五夜は旧暦の8月15日に行われるもので、新暦のいまは9月半ばから下旬ごろに行います。

十五夜のお月さまはきれいな満月のイメージがありますが、実際は旧暦の8月15日を優先するため、完全な満月でないこともあります。

十五夜のはじまりについては諸説あります。

中国の「中秋節」の行事が日本に伝わり、もともとあった月への信仰心や、この世からあの世に移り変わる時期とされる8月が結びついて8月15日となったという説、月の満ち欠けが作物の生長に影響していることから秋の収穫を感謝する時期が十五夜になったという説など、さまざまです。

現在では、ご先祖様の供養とともに秋の収穫を感謝する行事として、稲に見立てたすすきを飾ったり月に見立てたお月見団子を飾ったりします。

ちなみに、秋のお月見は十五夜のほかにもうふたつ、旧暦9月13日に行う十三夜(じゅうさんや)と旧暦10月10日に行う十日夜(とうかんや)とがあり、この3つの月見がセットになって本来のお月見になるとされています。十五夜だけのお月見は「片見月」といって避ける風習もあるようです。

お天気に恵まれれば輝く月を眺めながら、隠れていれば雲の上の月の輝きを想像しながら、秋の夜をゆったりとすごしてみるのもいいものですね。

秋の節目の行事を楽しむ:お彼岸

もうひとつの秋の節目に、お彼岸(ひがん)があります。

「彼岸」は仏教由来のことばで、「煩悩を脱した悟りの境地」を指します。また、人が亡くなったときに渡るといわれている三途の川(さんずのかわ)を挟み、生きている世界であるこちらを此岸、仏様の世界である向こうを彼岸といいます。

彼岸は、悟りの境地に達した仏様の世界である極楽浄土を指し、春分の日と秋分の日は、太陽が真東から出て真西に沈むため、極楽浄土と一直線につながる大事な日とされてきました。

そして、この日にご先祖様の供養を行って、生きている世界にいる自分たちも煩悩を脱し悟りを開こうと、春分の日・秋分の日を中日として前後3日間、合計7日間をお彼岸の期間とするようになり、供養やお墓参りが定着したとされています。

お彼岸にお供えするのが、小豆(あずき)のお餅です。

古くから小豆の赤色には、邪気をはらう厄除けの効果があるとされていて、いろいろな節目に食べる風習があります。このため、お彼岸にもご先祖を供養するためのお供え物に小豆のお餅が供されるようになりました。

秋分の日のお餅は「おはぎ」といいます。春分の日のお餅は「ぼたもち」といいますが、実は名前が違うだけで中身は一緒です。秋は萩、春は牡丹と、季節の花に見立てて名付けられたと言われています。

おいしいおはぎを用意し、いい香りのお茶を淹れて、これまでの歩みやこれからの世界に思いを巡らしながら静かな時間を過ごしてみるのも、大人の秋の味わいといえそうですね。

秋の味覚を楽しむ:果物狩り

9月は、夏と秋のフルーツを並行して楽しめる季節です。気軽に行ける果物狩りをはしごして、フルーツ三昧のシルバーウィークにするのもおすすめです。

もぎとってすぐに食べるフルーツはとてもみずみずしく、格別のおいしさ。また、農園によってはフルーツを使ったお菓子やジャムなども一緒に販売していて、帰ってからも長く楽しめます。

夏の名残を味わえるフルーツには、次のようなものがあります。

  • ぶどう
  • なし
  • ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリーなど
  • もも、すもも(プラム)

秋の実りを味わえるフルーツには、次のようなものがあります。

  • いちじく
  • りんご
  • レモン
  • みかん
  • さつまいも

果物狩りが可能な期間は、土地の条件やその年の気候などによってかなり幅があります。

試してみたいフルーツを決めてから行ける範囲の農園を探すか、でかけたい場所を決めてからその時期に可能なフルーツを探すか、どちらかの方法で楽しいプランをたててみてください。

まとめ

50代の大人の休日は、移ろう季節を全身で受けとめ、身も心も自然体でリフレッシュさせていきたいですね。

身軽にひとりで楽しんだり、親しい人と分けあったり。

小さな連休だからこその秋の味わいかたをみつけて、おしゃれに過ごしてみませんか?