名女優であった樹木希林さんが亡くなって1年が経ちました。

女優としての素晴らしい演技とともに、数々の含蓄ある言葉が、さまざまなところで取り上げられて、書籍も数多く出ています。

そんな樹木希林さんの足跡ともいえる晩年の素晴らしい出演映画や名言集をご紹介いたします。

樹木希林さんの芸名

樹木希林さんの以前の芸名は悠木千帆でした。女優 悠木千帆としての記憶のある方も多いかと思います。

それがいつのまにか芸名が樹木希林に替わっておりました。なぜ変えたたかというと、悠木千帆という芸名を、オークション企画で販売してしまったからだそうです。

その後、樹木希林という芸名になりました。

樹木希林さんの歌手活動

樹木希林の歌といえば、郷ひろみとのデュエットを思い浮かべる人も多いかと思います。

郷ひろみが主演をしたテレビドラマ「ムー」(1977年)「ムー一族」(1978年~1979年)の劇中歌「お化けのロック」「林檎殺人事件」を郷ひろみさんとデュエットしました。この2曲は爆発的に売れて、当時の歌番組ではこの二人を見ない日はなかったほど、大人気となりました。

樹木希林は、もう1曲、出演ドラマ「輝け隣太郎」(1995年)の主題歌「2人のすべて」を唐沢寿明さんとも歌っています。こちらは郷ひろみとの歌ほどのヒットはしなかったようです。

樹木希林の名演技が心に残る映画

樹木希林さんは数多くのテレビドラマや映画に出演してきました。

若いころのコミカルな演技や40代からの老け役なども、すばらしかったですが、年々、年を重ねるとともに、深みのある演技が、心に残る女優だったと感じています。

その中でも、特に晩年の数々の映画では、日本アカデミー賞の最優秀女優賞も何度か取り、演技にも光るものがありました。

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007)

今では俳優としても大活躍のリリー・フランキーと母親との半生をつづった小説の映画化。

2006年、2007年とテレビ放映された後に映画化されています。

樹木希林はオカンを演じています。オカンの若いころを、娘の内田也哉子が演じています。

わが母の記(2012)

井上靖の自伝的小説の映画化。

役所広司演じる作家の母、八重を、樹木希林が演じています。

第35回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ受賞作品

あん(2015)

ドリアン助川の小説の映画化。ハンセン病患者のことを描いています。

主演を樹木希林が演じています。

第68回カンヌ国際映画祭でオープニング上映されています。

樹木希林さん演じる主役が勤めるどら焼き屋に通う女子高生役を、孫の内田伽羅が演じています。

一心にあんを練る姿、病の風評を感じる遠い目、ひとつひとつの表情が目に焼き付きます。

 

モリのいる場所(2018)

伝説の画家・熊谷守一夫妻のある一日を、山崎努と樹木希林が夫婦役で、演じています。

何気ない1日の生活を丁寧に撮影しています。庭の美しい自然の姿や、食事のシーンなど、夫婦のやり取りの言葉の面白さなど、ひとつひとつが心に響きます。

第23回日本インターネット映画大賞受賞作品

樹木希林が日本映画助演女優賞を受賞しています。

日日是好日(2018)

森下典子のエッセイの映画化。

樹木希林演じるお茶の師匠の凛とした佇まいの美しさに心を打たれます。

第42回日本アカデミー賞優秀作品。

樹木希林が最優秀助演女優賞を受賞しています。

万引き家族(2018)

是枝裕和原案・脚本・監督作品。親の死亡を隠し年金を不正に貰い続けていた家族の事件から構想10年で映画化。

樹木希林がリリーフランキー演じる主役の母役を演じています。

第71回カンヌ国際映画祭 最高賞パルム・ドールを受賞

第42回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品

樹木希林が最優秀助演女優賞を受賞しています。

 

樹木希林さんの著書 名言集

樹木希林さんが亡くなるとともに数多くの生前の発言をまとめた書籍が発売されています。樹木希林さんの言葉の一つ一つに含蓄があり、多くの方の心に響いています。

一切なりゆき 樹木希林の言葉

文春新書

樹木希林さんが、生と死について、演じることについて、男女の関係についてなど、生前語った言葉の数々を収録しています。

樹木希林 120の遺言 死ぬときぐらい好きにさせてよ

宝島社

「楽しむのではなくて、面白がることよ。 面白がらなきゃ、やっていけないもの、この世の中」など、樹木希林さんが生前さまざまなメディアで語っていた言葉から厳選した120の言葉を掲載しています。

樹木希林さんからの手紙

主婦の友社

NHK『クローズアップ現代+』+『知るしん』で放映された樹木希林さんが一般の方と交流していた手紙の感動のエールから人生のアドバイスをいただけます。

 

いつも心に樹木希林~ひとりの役者の咲きざま、死にざま~

 キネマ旬報社

樹木希林の一生を、生前交流のあった方々から寄せられたものとともに、樹木希林さんが生前書かれていた文章や語りから抜粋して構成されています。

この世に生きる醍醐味 最後のインタビュー

朝日新書

樹木希林さんが亡くなる半年前に行った7時間にも及ぶロングインタビューを全収禄しています。

最後に娘の内田也哉子さんが、樹木希林さんの最期について、内田家での樹木希林さんの教えについて、語っています。

老いの重みは神の賜物

集英社

樹木希林さんの生前の本音満載のトークをそのまま掲載しています。

人生のヒントが満載です。

9月1日 母からのバトン

ポプラ社

「死なないで、死なないで……。今日は、大勢の子どもが自殺してしまう日なの」

生前9月1日に樹木希林さんがつぶやいたこの言葉の意味について、娘の内田也哉子さんが考えます。

 

樹木希林さんのご家族

樹木希林さんのご家族は、樹木希林さんが亡くなられた後、数か月後、後を追うようにして亡くなられた樹木希林さんの夫である内田裕也さんとの間に、一人娘の、女優であり文筆家である内田也哉子さんがいらっしゃいます。

内田也哉子さんの夫は、俳優の本木雅弘さんです。

樹木希林さんのお孫さんの内田伽羅さんは、映画「あん」で樹木希林さんと共演されています。

内田也哉子さんは、樹木希林さんの想いを受け継ぎ、書籍「母からのバトン」では、不登校児の自殺防止などの教育環境などについて、問題提起をしています。

まとめ

晩年になるほど、名演技と名言で注目を浴びていた樹木希林さん。樹木希林さんの一つ一つの言葉に深みと重みを感じます。彼女のシンプルな人生感、生き様にも共感を呼んでいます。

一冊手に取って読んでみると、何かしら、心に響く言葉に出会えるかもしれません。