ICTの普及により、今は情報・知識の時代といわれています。情報通信網はますます発展し、これからさらに情報があふれてきます。人間の処理能力をはるかに超えた人工知能(AI)が行うディープラーニングといわれる情報処理能力も、ものすごいスピードで進化し続けています。

50代にもなると、その流れにとてもついていけず、アナログだった昔が懐かしい・・・かもしれません。でも、これからの時代を生き残っていくためには嘆いてばかりもいられないですよね。

実は、情報の特性を知っていれば、昔も今も活用するポイントにそれほどの違いはないのです。

ここでは現在主流となっている情報メディアの特性にあわせた情報のとり方や活用方法をご紹介します。

情報には3つのタイプあり。特性にあわせて嗅ぎ分ける力をつけよう

情報は、何を通して流れてくるかによって性質が違ってきます。この情報を通す媒体をメディアといいます

情報メディアには、3つのタイプがあります。

  • 一次メディア(コンテンツ・メディア、オウンドメディア)
  • 二次メディア(キュレーションメディア)
  • ソーシャルメディア

それぞれのメディアの特徴を押さえていけば、情報の質の違いが明らかとなり活用するときのポイントを見極められるようになります。

一次メディア:情報発信元が責任をもって情報をつくりあげ、発信する媒体

一次メディアは、コンテンツ・メディアともいわれます。独自に取材し、情報の内容(コンテンツ)を自社の責任でつくりあげて発信する媒体です。

一次情報メディアの代表格は、新聞社やテレビ局などです。いわゆるマスメディアですね。

また、メーカー企業などが自社サイトで独自のコンテツを発信するオウンドメディアと呼ばれるものもあります。独自にコンテンツをつくり、一次情報としての責任をもっている点は同じですが、発信する分野を絞り込んでいるところが、総合的な情報を発信するマスメディアと異なります。

なお、国や行政の公式サイトも、独自で情報を組み上げて発信しているという点で、一次メディアといえます。

二次メディア:情報を集め、編集することにより価値をつくって発信する媒体

二次メディアは、他のメディアがつくった情報を集め、まとめたり編集したりすることで、新たなコンテンツとしての価値を付加し、発信する媒体です。

独自の切り口で展示する意味合いをもつことから、キュレーションメディアとも呼ばれています。いわゆるポータルサイト、比較サイト、まとめサイト、キュレーションアプリなどが二次メディアに相当します。紙媒体でも同様に、他の記事を集めて編集したフリー雑誌などがあります。

二次メディアでは、独自の取材を行って自らがコンテンツをつくるところは一部にとどまり、大半は別のメディアを引用するかたちで掲載します。

二次メディアは、集めたものをいかに編集し、独自の感性で魅せるかを重要視するため、個々のコンテンツに対する責任は追わないことが多くなります。

ソーシャルメディア:情報を消費する側のユーザーが自ら発信する媒体

ソーシャルメディアは、一次・二次メディアで情報を得ているユーザーのリアクションや、個人的な考えを発信するためのプラットフォームです。SNSやブログサイトなどが代表的です。アナログ世界で「口コミ」と呼ばれたもののネット網、といったところですね。

個人的な発信ですので、コンテンツのオリジナル性も信憑性も責任をもてるものにはなりませんが、誰でも気軽に発信できてさまざまな人とつながることができるため、近年急速に拡大し、社会に対する影響力も大きくなっています。

その情報はほんとう?情報に振り回されず正しく活用するための4つのコツ

スマートフォンのアプリを立ち上げて、さっとつぶやかれていることを眺める。気になったものはタップしてその先を見に行く。何気ないそのアクションが、実は情報に「読まれて」いる状態になっています。

様々なアプリに仕込まれた検索エンジンは日々進化しています。あなたがどんな情報を見にいこうとしたか、どれだけの時間を費やしたかなどの行動を読み、あなたの好みを学習し、常におすすめを出そうとしています。

気の利いた情報を勧めてくれるため、便利になっているのですが、その一方で、届けられる情報はどんどん偏っています。いつのまにか「知りたい情報」ではなく「そう思いたい情報」ばかりが漂っていることになりかねないのです。

ほんとうに必要な情報を正しく獲得し、活用するコツは、3つのメディアの特性からくる情報の品質をわきまえつつ、バランスよくとりこむことです。

無料の情報には訳がある!なぜそうなの?を忘れずに

一次メディアにも二次メディアにも、メディアなりの意図をもって情報を発信しています。

独自の取材を重ね、情報を一から作り上げたり、膨大な情報をとりまとめて別の価値にまで引き上げたりするには、相当のコストがかかっているはず。それなのに、フリーで情報提供されているにはそれなりの理由があると思いましょう。

マスメディアは社会的な使命も責務も大きいため、根拠のある情報を、偏らず発信しようとしています。また、ある程度までは無料にすることで、世界の事実を広く伝えようとしています。このようなジャーナリズム精神が、良質なコンテンツを多く生み出しているといえます。ただ、取材の仕方や情報の取り上げ方には各社のカラーがあります。

オウンドメディアやキュレーションメディアは、独自のコンテンツを広く周知することを目的に、フリーで届けられる情報を用意しています。国や行政機関などの公的団体、インフラ企業や大企業などは社会的な責任も大きいため、情報の取扱に慎重ですし、良質なコンテンツ情報も多いです。一方で、小さな運営主体の場合は、自前のコンテンツの良さをアピールするための情報操作が入っている可能性も捨てきれません。

情報の発信元となっている運営主体を確認し、どのような情報かを検証するをつけておきましょう。

  • 検索結果を見に行くまえに、URLのドメインを確認する。
  • 公的機関や研究機関、大手マスメディアなど信用できるメディアの情報を優先する。
  • 見慣れないサイトの場合は運営主体の名称を確認し、可能であれば会社概要などをみておく

いい情報に出会ったときこそ裏付け捜査を念入りにしよう

特にSNSなどで気の利いた情報が紹介されていると思わず拡散して誰かに伝えたくなるところですが、一呼吸おいてからにしましょう。

情報には必ず、光があたった面と当たらなかった面とがあります。取り上げられなかった情報のほうが実は多数派で、事実が隠されていたということだってあるのです。

よい情報と感じたときほど、別の角度から検索しなおして意見のバランスを確認する慎重さをもちましょう。

  • 反対の主張となることばで検索してみる
  • 公的機関や研究機関のサイトの中で、キーワード検索してみる
  • ニュースサイトで確認する

マスメディアを広く浅く活用し、情報の1割は知らなかった知識にしよう

マスメディアがソーシャルメディアの後追いをしていると揶揄され、もはやオワコンなどと言われてしまっている昨今ですが、一次メディアとしての自負はまだまだ健在。広く浅く様々な分野に取材をかけ、情報発信しているマスメディアは大いに活用すべきです。

コツは、お気に入りのマスメディアをつくらないこと。食わず嫌いをなくし、いろいろな新聞やテレビを流し見して、自分の好みからは知りえないような情報を新しく取り込んでいくことをおすすめします。

  • 毎朝のニュース番組を、日替わりでチャンネルを変えてつけっぱなしにしておく
  • 図書館などで各社の新聞を読み比べる
  • ニュースアプリで新聞各社を登録し、見比べる

デジタルのメディアに偏らず、五感をフルに働かせて情報をとりこもう

たまにはデジタル情報から離れて、情報センサーを研ぎ澄ましましょう。

紙メディアやリアル体験、アートなど、目だけでなく音や匂い、肌触り、温度など、五感をフルに使って情報を受け止めてみましょう。

紙面上でのチェックはデジタル上でのチェックより17%も多くの間違いを見つけるという研究もされているそうです。また、五感のうち2つ以上の感覚を同時に働かせたほうが強い記憶となるともいわれています。

まとめ

情報収集と言うと、どうしても「どんな内容か」が気になり、「誰が発信しているか」を見過ごしがちです。でもメディアが違うと情報の品質もまったく変わってくるのです。

コンテンツに着目するときは、必ずセットでメディアも確認するようにし、情報の波に乗って楽しめるようになりましょう。