12月が近づいてきたら整理しておきたいものに、今年の所得があります。

今年、自分がどのくらい稼いできたか言えますか?

50代は自分の体の節目もありますが、そのほかにも、子どもが独立したり仕事を変わったり、退職したり親の介護の話が出たりと、激動のステージがあります。

しっかりと前を見て来年に備えるためにも、年末調整や確定申告の機会に、今年の自分の年収をきちんと把握することから始めてみましょう。

年末調整と確定申告の違いを知ろう

学校や会社の年度は4月から3月で区切ることが多いですが、所得は1月から12月までの区切りで集計されます。この区間にあった収入や支出を合計して所得が決まり、税金が確定します。

この、所得と税金額を確定させる行動が年末調整と確定申告なのです。

所得とは

所得は、なんらかの方法でお金を獲得したことを差しますが、この方法によって税金のかかり方が違ってきます。国で定められた所得には、次の10種類があります。

  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得
  • 一時所得
  • 雑所得

例えば、会社員やパートの人は給与所得がメインとなり、その他の所得があると副業と呼ばれたりすることがあります。

会社員・パートなど、勤めている人は年末調整

年末調整とは

基本的に、会社員やパートタイマーの場合、勤め先が給与その他の情報を管理しているため、税金の手続きは一括して行ってくれます。

税金は毎月の給与から概算して天引きされていますが、年末に厳密に最終計算し、精算します。これが年末調整です

提出する書類は?

年末調整で確定させるのは、家族数の増減による扶養環境の変化と、生命保険や社会保険の最終額です。働く側から会社へ、次の2つの申請書を提出します。

  • 給与職者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書

この申請書は会社から配られます。また、保険会社から今年の保険料のお知らせが届いているはずなので、この中の証明書をつけて提出します。

いつまでに行うの?

12月の給料計算で最終確定する必要があるため、会社の規模にもよりますが、たいてい11月までには出すよう求められます。

このタイミングを逃すと確定申告のときに自力で申告する必要があるので、会社の連絡には注意しておきましょう。

フリーランス・いろいろかけもちの人は確定申告

複数のパートをかけもちしているとか、趣味で副収入があるとか、年間の収入が多岐にわたる人は、確定申告で年間の収支を整理し、提出する必要があります。

確定申告とは

確定申告は、年間の収入と支出の総まとめをして発生する税額を計算し、税務署に提出して精算するものです。

1月から12月の間に得た10種類すべての所得と、収入を得るためにかかった経費や控除を積み上げて差し引きしたあと、金額に応じた税率をかけ、税額を確定させていきます。

提出する書類

確定申告書には、AとBと2種類の様式があります。

このうち、申告書Aは会社員やパートタイマーが年末調整で調整しきれなかった分を調整するために使用します。

申告書Bはフリーランスや個人事業主の人が使用します。こちらには、計算が簡易な白色申告と、複雑だけど特典の多い青色申告があります。白色申告の場合は収支内訳書青色申告の場合は青色申告決算書を添えて提出します。

確定申告書に添付する書類は、申告の種類によっていろいろです。社会保険料や生命保険料の支払いについては控除証明書の原本が必要です。給与や退職金、年金の支給などがあった場合には源泉徴収票の原本が必要です。(支払調書の添付は義務ではありません)

また、かかった経費を証明するための領収書をいちいち全部提出する必要はありませんが、いつでも説明できるように、手元に保管しておく必要はあります。

いつまでに行うの?

毎年、2月16日あたりから3月15日まで受け付けています。直接持ち込む場合は、締め切り直前はものすごく混み合うので早めにしましょう。

確定申告は郵送やネットからの手続きもできます。また、2月ごろからは確定申告の相談コーナーがあちこちにできます。匿名でも気軽に教えてくれるので、申請書の書き方に不安がある人は利用することをおすすめします。

 

こんな人はもう一度年末調整の確認を!

たいていの方は、会社のほうできちんとしてくれるので、先に挙げた書類を提出したあとは会社におまかせで大丈夫です。

ただ、パートやアルバイトで扶養控除のために働き方を調整している人は、念のため年収と控除の状況を確認しておくことをおすすめします。2018年から配偶者特別控除の基準が変更され、それまでより対象が広がっているからです。

簡単にいうと、年間201.5万円以下であれば、配偶者特別控除が受けられるようになっています。何年か前の基準で考えていると「ほんとうはもっと働けたのに」という状態になっているかもしれません。下に基準表を掲載しておきます。

出典:国税庁 平成30年分以降の配偶者控除及び配偶者特別控除の取り扱いについて

こんな人は確定申告が必要です!

年末調整で書類提出が間に合わなかった人は、確定申告が次のチャンスです。忘れないように申告書をまとめましょう。

その他、こんな人は勤めている人でも確定申告が必要になります。

  • 給与収入が2,000万円を超える
  • 複数の会社から給与を受け取っている
  • 給与所得以外の所得が20万円を超える
  • 医療費控除、雑損控除を受けたい
  • 住宅ローン控除をはじめて受ける
  • 年の途中で退職し、会社への再就職をしていない
  • 6箇所以上の自治体へふるさと納税を行った

副収入が20万円を超える人

ちょっとしたアフィリエイト、趣味で得た収入、株の投資なども積もり積もって20万円を超えるときは申告しましょう。

また、2箇所以上の会社で給与振込がある人も、年末調整は1箇所しかできないため、確定申告で精算します。

支払調書が送られてこないからまあいいか、と軽く考えていたら、しっかり税務署には源泉徴収された税金が回っていて、会社へ問い合わせの連絡がいって副業がバレたというようなトラブルにならないよう、きちんと申告するのがいちばんです。

今年退職した人

今年の途中で退職し、そのあと会社へ再就職していない人は、確定申告で税金が戻ってくる可能性があります。毎月の天引きは概算で行われているため、年間で合計したときには税金が納めすぎになっている場合が多いからです。

退職したときに会社から源泉徴収票を受け取っているはずですので、それをつかって確定申告書を埋めていきましょう。

医療費がかかった人

ちょこちょことお医者さんにかかっている人は、確定申告すれば控除の対象になるかもしれません。ざっくりでよいので計算してみることをおすすめします。

医療費控除の対象となるのは、支払った医療費-保険金などの補填―足切額です。足切額は10万円とよくいわれていますが、年収が300万円くらいまでの場合は医療費が10万円以下でも対象となる場合があります。

また、かつてはすべての領収書を集計する必要があって面倒だったのですが、今は「医療費のお知らせ」などの医療費通知を使える場合も増えています。

病院通いで心当たりのある人は、ぜひ一度確認してみてください。

 

盲点になりやすい住民税

年末調整や確定申告で話題になっているのは所得税ですが、この所得税が確定した後に通知がくる住民税にも注意が必要です。

半年くらいして忘れた頃に請求され、慌てることになりがちなので、気をつけておきましょう。

住民税で注意するポイント

住民税は、都道府県税と市町村税をあわせた税金です。

国の所得が確定してから計算されるため、確定申告後に計算され、6月から徴収が始まります。

退職した人は特に要注意

退職後、働き方が変わって収入が減っている人はとくに注意しましょう。住民税は前年の収入を基準に計算されていますから、収入の減ったときにまとまった金額が必要になるため、かなり手痛い出費になってしまいます。

給与から天引きされているため意識されにくい住民税ですが、退職前に引かれている額から年間の金額を予測しておき、退職時に1年分をとりわけておくのが無難です。

黙って副業を始めた人も要注意

副業することをよく思っていない会社に勤めながら他の収入ができてしまった人も、住民税の支払いには注意が必要です。

悪気がなくて言いそびれている人が多いと思うのですが、住民税は何も手続きしないと給与から引き落としになります。住民税があまりに大きな金額になると、会社が不信感をもつようになるかもしれません。

確定申告書の住民税・事業税に関する事項にある住民税の徴収方法を「普通徴収」にしておくと、住民税が給与引き落としにならず、自力での納付になりますので、金額を会社に知られることはありません。

ただ、天引きにしなかったということで不審に思われる可能性もあります。普通徴収にしたからばれないという保障はありませんから注意が必要です。

 

まとめ

めんどうだし、お金を取られるという感覚がどうしても出てしまう税金ですが、年に一度、きちんと自分の収入と支出を把握し、どのくらいの税金を国や自治体に投入しているのかをわかっておくのはとても大事なことです。

自分の税金が社会のどこに使われているのかといった関心度も変わりますし、収支を整理することで、これからの生活のどこに「経費」がかかりそうなのか、どのくらいの収入が自分の生活には必要なのかなど、生きていくために必要な経営感覚もついてきます。

年末調整や確定申告を賢く活用して、50代、60代の設計をたてていきましょう。